インド古典舞踊とは?

インドでは、バラタナティヤム(Bharatanatyam)、カタカリ(Kathakali)、カタック(Kathak)、マニプリ(Manipuri)が、長らくインドの四大古典舞踊とされてきました。最近では、オディッシー(Odissi)、クチプディ(Kuchipudi)、モヒニアッタム(Mohiniyattam)も古典舞踊として認められています。

その他にも、歌舞劇のヤクシャガーナ(Yakshagana)や仮面舞踊のチョウ(Chhau)など、スタイルも歴史も異なるさまざまな舞踊が各地で受け継がれています。

このように、インドはきわめて豊かな舞踊文化をもつ国なのです。

そのうちのバラタナティヤム、オディッシー、クチプディについて紹介しましょう。

バラタナティヤム

南インド・タミルナードゥ州の寺院から発生した「祈りの舞踊」です。

バラタナティヤムは、軽快さと重厚さを併せもつ複雑なステップワークに加え、身体や腕、手・指先(ムドラー)、目の動きによって、動きの意味と同時に心情を語るため、ダイナミックな身体表現と同時に細やかな舞踊表現が要求される踊りです。

基本的には、サンスクリット語やテルグ語、タミル語でうたわれた神々への讃歌と音楽(カルナティック/南インド古典音楽)で構成されています。シヴァ神とその息子カルティケーヤ(ムルガン)神を題材にした作品が多くみられます。

バラタナティヤムの舞台ではしばしば舞踊の神・ナタラージャ像を祀ります。ナタラージャは、ヒンドゥー教の三大神のうち破壊の神としても知られるシヴァ神と同一視されます。その踊りは、「宇宙のリズム」を足で、「空間」を手で表現しているといわれます。

オディッシー/オリッシー

インドのオディシャー(オリッサ)州の高度に美的で叙情的な舞踊です。

オディッシーは、力強いステップワークがある一方、丸みのある曲線的な形や動きに特徴があります。クリシュナ神の物語に主題をとったものが多く、その表現はリリカルで耽美的ともいわれるほどです。

オディッシーの舞台ではオディシャー土着の神である、宇宙の神・ジャガンナート神を祀ります。ジャガンナート神はクリシュナ神と同じく、ヒンドゥー教三大神のうち維持の神・ヴィシュヌ神の化身とも考えられています。

クチプディ

アーンドラプラデーシュ州のクチプディ村に由来する古典舞踊です。

ダンススタイルや衣装も含めた全体の印象はバラタナティヤムともよく似ていますが、流れるような軽やかなリズムに特徴があります。アビナヤ(表現)も、より愛らしく、親近感のわくような具体的な表現になっています。

クチプディの詳細は、クチプディ舞踊家・渡辺桂子先生のページをご覧ください。
「KUCHIPUDIとは何か? 及びクチプディダンスの成立過程について」